「先に絵本!」と言う2歳児、どう対応する?チャッピーに聞いたの続きです。先に遊ばせてあげたあとに「そろそろご飯にしようよ」と言っても、上の子(2歳児)は「まだあそぶ」と返してきます。
切り替えられないのは、ご飯、歯磨き、お風呂、お出かけの準備、寝る前、と毎日のようにあります。「あと何回ね」と予告したり、スイカタイマーを使ったり、選択肢を出したり、どうしようもない時は、抱っこで連れて行ったりしてきました。すぐ切り替えられる日もあれば、泣いたり怒ったりする日もあります。
遊びから切り替えさせるには、どうすればいいのか。チャッピーに聞いてみました。
チャッピーに聞いてみた
なぜ、遊びから切り替えにくいの?
チャッピーの結論は、「2歳児が切り替えられないのは、かなり自然なこと」でした。
遊びを止めるには、「楽しいことをやめる」「次の予定を頭に置く」「気持ちを切り替える」という、いくつもの力がいるそうです。2歳は、その力がまだ育っている途中とのこと。アメリカ小児科学会のサイトには、2歳児は感情の衝動をあまりコントロールできないこと、日課の大きな変化を嫌がることが書かれています。
つまり、「まだあそぶ」は、「言っていることは分かる。でも遊びを終える力が追いつかない」という場合がある、とのことでした。
予告・タイマー・選択肢、どのくらい効く?
方法ごとに、根拠の強さを分けてもらいました。
予告(「もうすぐおしまいだよ」)
アメリカの公的な幼児教育プログラム「Head Start」は、幼児には、活動を変える数分前に知らせることを勧めています。ただ、予告の効果を調べた研究は少なく、今回確認できたのは、小さな研究1件でした。
1歳台の幼児3人を調べたもので、遊びからトイレへ移る場面で、2分前に予告しただけでは、動いてくれませんでした。声をかけたあとに、身ぶりや手を添えて動くよう促すと、3人とも動けるようになったそうです。促すだけでも動けて、予告を足してさらに良くなった子は、いませんでした。
人数がとても少なく、うちの子と年齢も違うので、参考程度です。
チャッピーのまとめは、「予告は試す価値がある。でも、効かない子も、効かない日も普通」でした。うちでも、効く時と効かない時があります。機嫌がいい時は効きますが、子どもが寝不足の日は効きません。
「あと〇回」と「あと5分」
「あと5分」のような時間は、2歳児には伝わりにくいそうです。時間の言葉を調べた研究では、4歳以上になると「1分より1時間の方が長い」という順番は分かってくるものの、5〜7歳でも、実際にどのくらいの長さなのかは難しいと報告されています。2歳児を直接調べた研究は、今回は確認できませんでした。
なので、チャッピーのおすすめは、「滑り台をあと1回したら帰ろう」「この絵本が終わったら歯磨き」「この車を駐車場に入れたらご飯」のように、目に見える出来事で終わりを示すこと。これは実践上の工夫で、直接調べた研究は弱いそうです。「あと1回」が、医学的に推奨された回数というわけでもありません。
タイマー・絵や写真の予定表
Head Startは、遊び、ご飯、お昼寝などを、絵や写真で見せる簡単な予定表を勧めています。スイカタイマーのような視覚タイマーも同じ方向ですが、「一般的な2歳児に、視覚タイマーが必ず効く」と示した強い研究は、確認できなかったそうです。
うちでは、最初はスイカタイマーが活躍していました。でも、だんだん使いたがらなくなりました。「スイカがなくなるまで遊ぼう」と言うと、「スイカやらない」と言う感じです。
選択肢
アメリカの疾病対策センター(CDC)は、幼児には「選択肢は2つで十分なことが多い」としています。「お風呂入る?」と聞くかわりに、「歩いて行く?パパ(ママ)抱っこで行く?」と聞く。お風呂に行くことは親が決めて、行き方だけ本人が選ぶのがポイントだそうです。
うちでも、「パパと行く?ママと行く?」はよく使います。基本は「ママと行く!」になります。
予告しても「まだあそぶ」。どこまで待つ?
「何分待ちましょう」という公的な基準は、ないそうです。
ここは実践的な提案で、根拠は弱いとのこと。チャッピーなら、「まだあそぶ」と言われるたびに、交渉をやり直さないそうです。
- 「まだ遊びたかったね。これで最後にしよう」
- 最後の遊びが終わる
- 「おしまい。次はご飯だよ」
ここで泣いても、親が決めた終わりの場所は守ってOKとのこと。CDCも、「言ったことを最後までやる」ことと、毎回同じように対応することを大事にしています。逆に、予定に余裕があって、もう少し遊ばせても困らない日は、延長してもかまわないそうです。大事なのは、泣いたから毎回予定を変えるのと、親が最初から柔軟に決めるのは、別だという点でした。
うちでも、この区切り方はやっています。泣いている間はそのままにして、少し落ち着き始めたら声をかけます。
先に遊ばせると、切り替えにくくなる?
「先に遊ばせたこと自体が悪い」という根拠は、ないそうです。
ただ、「ご飯にしよう」「まだあそぶ」→延長、「そろそろ終わり」「まだ!」→また延長、が毎回続くと、「まだあそぶと言えば、終わりの時刻が動く」と覚える可能性はある、とのこと。これは推測で、根拠は弱いそうです。先に遊ばせるときは、「いいよ。この遊びが終わったらご飯にしよう」と、延長と同時に終わりも決めておく方が分かりやすい、とのことでした。
泣いて切り替えられないとき
まずは「もっと遊びたかったね」くらいで十分とのこと。そのあと、「でも今はご飯だよ」と進めるそうです。長く説得しなくていいそうです。
また、「そろそろ歯磨きしようか?」のような質問の形は、断れる質問に聞こえてしまうそうです。CDCも、「質問は、子どもが断る余地を作ってしまう」として、短く具体的な指示で伝えることを勧めています。
- △「そろそろ歯磨きしようか?」
- ○「歯磨きの時間だよ。歯ブラシ持って行こう」
それでも泣くなら、安全上問題がなければ、少し泣かせながら進めてもいいとのこと。「泣いたけど、親と一緒に次へ移れた」でも、十分な成功だそうです。
親が疲れている日の手抜き版
チャッピーは、これだけでいいとしていました。
「まだ遊びたかったね。今日はおしまい。ご飯行こう」
タイマーも、選択肢も、長い説明も、楽しい誘導もなしです。動けなければ、必要に応じて、抱っこで移動してもいいとのこと。普段は工夫を使って、疲れている日は「短く伝える→必要なら手伝って移動」で十分、という考え方でした。
うちでは、嫌がっていても、抱っこで無理やり連れて行くことがあります。お出かけの時間が迫っている時や、寝るのが遅くなるので早くお風呂に行かなければいけない時です。これは、チャッピーの言う「手伝って移動」より強いやり方です。「無理やり」の線引きは、言うことを聞かない日の「無理やり」、どこまでOK?チャッピーに聞いたに書いています。
まとめ
「まだあそぶ」は、楽しい遊びを止めて気持ちを切り替える力が、まだ育っている途中だから、というのがチャッピーの見立てでした。
予告やタイマーは、助けになることがあっても万能ではなく、効かない日もあるそうです。延長するなら、終わりも一緒に決める。最後は、親が「ここで終わり」と区切る。この2つが、チャッピーの答えの中心でした。
ここに書いたのは、チャッピーの回答と、うちの場合の話です。子どもの様子や家庭の状況は、それぞれ違うと思うので、あくまで参考のひとつとして読んでもらえたらうれしいです。
参考にした資料
- Head Start Support Transitions for Infants and Toddlers
- CDC Tips for Giving Directions
- CDC Tips for Relying on Routines and Rules
- AAP(HealthyChildren.org)Emotional Development: 2 Year Olds
- Cote et al. The Effects of Antecedent Interventions and Extinction on Toddlers’ Compliance During Transitions(2005)
- Tillman & Barner(2015)Learning the language of time: Children’s acquisition of duration words(BPS Research Digestによる紹介)


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